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しなやかな組織づくり~次世代の経営・マネジメント~ 第1弾

感度が立っている人は気づいている!この5年で変わったビジネス環境

今が部分的な動きであっても、数年後には大きな変化を遂げている事象はいくつもあるでしょう。
たとえば「働く社員の国籍が多様化した」「調達先の国が広がった」という事象は、まだ該当していない企業もあるかもしれません。 しかし全体としてこの方向に進んでいることにはうなずくことでしょう。必要なのはそうした方向に敏感になると同時に、自分や自社なりの見方を持つということです。 それを「感度の立て方」と呼ぶことにします。 インターネットを使うことで、情報自体を入手することはそう難しいことではなくなってきました。 しかしそれを変化と見るのか、一時的な流行と見るのか、普遍的な動きと見るかという目がないと、得た情報の活かし方が分かりません。

またニュースになっていない事象でも、感度を立てると見えてくるものがあります。
たとえば組織のなかの役割で「兼務」が増えてきていると感じたことはないでしょうか。 一般的に大きな組織になればなるほど機能別に役割が分化され、さらに階層が増えてくる傾向がありますが、たとえば企画と営業といった機能の“横”兼務や、部長と課長といった階層の“縦”兼務をいずれも目にすることがあります。

今は名刺交換レベルで気づく事象でも、集めて観察してみると面白い「感度」になる可能性があります。
仮説として、多くの組織が階層の多さを問題視して組織をフラットにしている表れなのかもしれない、と考えることもできますし、役職ポストを削減する努力をしているのかもしれません。 またはあえて兼務を増やして部門・機能横断的な動きを促進しているのかもしれませんし、たまたま数人に出会っただけで事象としては増えていないこともあり得ます。

いずれにせよ「感度」を立てて共通する流れや背景は何か、人の意識や価値観の変化は何か、ということに注目していくことが、変化に対する目の持ち方です。 感度は正誤や善悪を問うているのではありません。動き続けることと、修正も含めた柔軟さを持つことの方が大事です。 時折立ち止まって、自社事業を取り巻く意識や価値観変化について社内で議論する機会があると、柔軟な感度で世の中を見続ける目が養われてきます。

著:日本能率協会 KAIKAプロジェクト室 山崎賢司

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